本橋成一写真集『屠場〈とば〉』 3月14日発売
瞬間の奥行きと無音の広がり
写真を見て音や声が聞きたいと切望したことがあっただろうか
舞踊家・田中 泯
故なき差別に抗いながら、屠場ではいのちへの限りない敬意を込めて熟練の技がふるわれ、われわれのいのちの糧となる食をもたらしてきた——
筑豊やチェルノブイリの記録を発信し続けてきた本橋成一が見つめた、大阪・松原の誇り高い人々の記録。
2011年3月14日発売
平凡社刊
B5変型判 128頁
定価:2,940円(税込み)
写真・文=本橋成一
文=鎌田 慧(ルポルタージュ作家)、吉田 明(部落解放同盟松原支部)
ISBN 978‐4‐582‐27783‐8
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村山由佳さんが『昭和藝能東西』を紹介
村山由佳さんが下記のように『昭和藝能東西』を紹介してくださいました。
寄席の芸人がいる。琵琶法師がいる。チンドン屋さんがいて、おそろしく体の小さいプロレスラーがいる。
浅草に木馬館があり、寄席に芸人がいる。のぞき部屋があり、キャバレーがあり、大相撲の巡業があり、大神楽がある。
そのすべてが、ここではまったくの等価値だ。日本の、昭和の、芸能。
くっきりとしたモノクロの写真は、見る者に安易な逃げ道を与えてくれない。だから眺めているとどこか胸が痛み、落ち着かなくなり、それでいてたまらない郷愁を覚えもする。おそらく年齢によっても感想は大きく異なるのだろう。私はたまたま、ここに写し留められた雰囲気を、わずかなりとも肌で覚えている最後の世代であろうから。
ところで、芸能とはいったい何であるか。この写真集においてそれは、潔いほどきっぱりと、「見せ物」である、と位置付けられている。
「この人間社会において、人を喜ばせ楽しませ、ドキドキさせ、その上しっかりお銭をいただく。そのために芸を磨く」
それこそが「芸能」なのだ、と。
写真家・本橋成一氏とともに沢山の旅をした俳優の小沢昭一氏は、彼の撮る作品の魅力をこう看破した。
「この写真集は汚いんだよ......。汚い美しさというか、汚い魅力があるのが、ぼくは好きなんだ。きれいに撮るのはいくらでも撮れる」
深く頷きながら、私はそれに加えてこうも思った。汚く撮るのも、いくらでも撮れる。人の営みをわざと汚く撮るだけで芸術ぶって見せる写真もまた巷には多いのだ。
汚さの奥にある、決して汚れない、汚せない美しさ。目をこらしてそれを探そうとする透徹した視線が、この写真集を底から支えている。
村山 由佳(作家)
『昭和藝能東西』お詫びのお知らせ
本橋成一写真集『昭和藝能東西』(オフィスエム発行)の一部に、造本上の不手際があることが判明いたしました。何度か本を開いているうちに、本のページを綴じている内側の部分が離れ、かかっている糸が浮き上がってみえます。ただいま、造本をし直しております。
すでにご購入いただいた方の中に、該当する本がございましたら、お取り替えさせていただきますので、お手数ですが、着払いでポレポレタイムス社(〒164-0003 中野区東中野4-4-1 7F)までお送りください。新しい本をお送りさせていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。
小沢昭一監修 本橋成一写真集 『昭和藝能東西』発刊
「藝能」の世界に見るもう一つの「昭和」
1972年(昭和47年)、雑誌『太陽』の「諸国藝能旅鞄」から小沢昭一さんと本橋成一の「藝能」をめぐるたびが始まりました。古典芸能からストリップ、キャバレーまで...高度経済成長の全盛期、日本のすべてが変わっていった昭和の藝能集大成です。
《本書の内容》
伊勢大神楽・本川神楽・河内音頭とにわか・秋田万歳・国東の琵琶法師・大相撲巡業・寄席芸人・浅草木馬館・大衆演劇・桜まつり・チンドン屋・紙芝居・小人プロレス+女子プロレス・のぞき部屋・ショータイム・キャバレー
あとがき対談「藝能・思い出語り」 小沢昭一・本橋成一
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