本橋成一の4年ぶりの監督作品『人間の汚した土地だろう、どこへ行けというのか』が、 2021年4月17日よりポレポレ東中野で公開されます。
本作は、本橋が2019年10月に『ナージャの村』『アレクセイと泉』のプロデューサー・神谷さだ子と共に、チェルノブイリ原発事故による汚染地・強制避難区域であり、撮影地であるベラルーシを訪問した様子を収めた40分の報告映像となります。
今年で東日本大震災から10年目、チェルノブイリ原発事故から35年目を迎える私たちにとって今一度、原子力問題に目を向ける機会になることを希望します。
【あらすじ】
映画「ナージャの村」「アレクセイと泉」監督の本橋成一とプロデューサーの神谷さだ子は、映画公開後もチェルノブイリ原発事故で汚染された村々への訪問を続けている。本橋は2年ぶり、神谷は5年ぶり。
撮影時と同じくモスクワからゴメリまで12時間の夜行列車に乗り、二人は映画製作の思い出話を始める。
95年に本橋が現地で出会ったアルカジイ・ナボーキンからの言葉「人間の汚した土地だろう、どこへ行けと言うのか」が、製作の強い動機になったと話す。
ゴメリでは村を離れ、裁縫工場に勤めるナージャ、同じくガードマンとして働くアレクセイ、更に村での暮らしを望むアレクセイの母・ニーナと、その介護の為に戻ってきた兄イワンとの再会を喜ぶ二人。
そして、汚染地に暮らす在りし日のナボーキンを知る村人、ニコライと出会う。長期にわたる訪問によってこそ見えてくる、汚染地の時の流れ。
変わるもの、変わらないもの。現地の今をありのままにレポートする。
【作品詳細】
本橋は、過去2作の映画公開後も何度も現地を訪問し、記録を続けてきました。最新の報告となる本作では、都会に暮らしているナージャやアレクセイとの再会と、長きにわたって訪問を続けてきたからこそ許された、本来立ち入り禁止であるエリアの様子が収められています。現在は地図から消されてしまった、ドゥヂチ村、ブジシチェ村、バルトロメフカ村では、わずかながらもそこで暮らし続ける人たちと出会うことができ、その中には映画の登場人物たちの姿もありました。今後はベラルーシ国内の情勢不安によって、訪問はより難しくなることが予想されます。
また、パンデミック直前に訪問した汚染地の記録としても貴重な映像となっています。
尚、本作はポレポレ東中野により企画されている<4.26 特集>上映内で公開致します。本特集は毎年チェルノブイリ原子力発電所の事故が起こった日(4月26日)に、原発とは、電力とは、核とはなにかを改めて考えることを目的に2008 年から継続して開催されており、『ナージャの村』『アレクセイと泉』は、いずれも本特集内で毎年継続して上映されています。
【上映後 トークイベント】
17日(土) 初日舞台挨拶 : 本橋成一(写真家・映画監督)
25日(日) トーク : 渡辺一枝(作家) × 神谷さだ子(JCF) × 本橋成一
26日(月) トーク : 神谷さだ子 × 本橋成一
30日(金) 最終日舞台挨拶 : 本橋成一
【劇場情報】
【会期】2021年4月17日(土) ~ 4月30日(金) 連日:14:20 ~
【劇場情報】ポレポレ東中野 中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビルB2階
※18 日(日)/14:00 ~ 24 日(土)/13:50 ~ 27 日(火)/14:05 ~ 29 日(木祝)/14:00 ~ (上記の日は時間が変更となります)
【関連展示】本橋成一写真展 1993年 チェルノブイリ ~いのちの証言~(仮)
チェルノブイリ原発事故から7年目となる1993年。ベラルーシ北西部の農村で、汚染地に暮らし続ける人を記録した写真と映像を公開します。
【会期】4月17日 ~ 30日 / 11:00 ~ 17:00 / 入場無料
【企画展会場】ありかHole 中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル7階