山鳥坂ダム
2008.11.01
水になった村
水になった村
先日、愛媛県の山鳥坂ダムに行った.
98年に行って以来、毎年3〜4回は通う所だ。
山鳥坂ダムは肱川町という山間に計画されている。大洲市が最寄りの街である。
山鳥坂ダム計画地で、夏の祭りは多くの観光客や帰省で若者達が帰ってくる。お神楽があるからだ。県の無形文化財に指定されている。ご存知の方も多いことでしょう。
しかし、ついに工事が始まってしまったのだ。山が切り崩され、工事用の道路が造られていく。
そこに暮らす老夫婦の家に行った.「懐かしいな〜」と家に招き入れてくれた。
「早生のみかんじゃ!」とたくさんのミカンを篭に盛ってくれた。
「わしらな、そろそろ引っ越しの計画を立てなあかんかもな。工事が始まったからな。みんなもそんなことを口走るようになった。あの人は松山の息子の家に引っ越すらしいよ」
80歳に近い人達の苦悩はこれから始まるのだと感じた。それはこれから10年以上も長い月日になると思う。
しかし、たしかに水不足になりやすい愛媛県。治水も大事な所ではあるが、今の時代の中で山鳥坂ダムの是非を問う者は多くいる。地元の要望が多いのはわかっているが、なんの要望なのか。それが山鳥坂ダムですべてまかなうことができるか。全国区で論議してもいい話題ではあるだろう。