ごあいさつ

 ポレポレ東中野は、4月26日(チェルノブイリ原発事故の日)に毎年恒例の企画<27年目のチェルノブイリ>を開催致します。
 本年は『ナージャの村』(監督:本橋成一)の冒頭で汚染地に住み続ける村人が語る、ロシアの詩人エセーニンの言葉「天国はいらない、故郷を与えよ」を手掛かりに、これまで各地で行われてきた大規模開発の影で故郷との結びつきを裂かれ、人間関係を分かたれてきた人々に視点を置いた作品群を上映します。
 日中は本橋成一三部作『ナージャの村』『アレクセイと泉』『祝の島』(プロデュース作品・纐纈あや監督)の上映。いまだ故郷を喪失する人々を生み続けているチェルノブイリ、福島にそれぞれの分野から向き合う、有機農業研究家の明峯哲夫さんと本橋成一監督のトークイベントを行います。
 同日深夜の<4.26オールナイト VOL.5>では、原発のみではない「開発」を住民の視点から捉え、故郷に生き続ける人々、あるいは故郷を離れざるを得なくなった人々の暮しを描いた作品を上映します。故郷喪失者を生み続けてきた開発とは何なのか。暗闇とスクリーンの間で、思索を巡らせて頂ければ幸いです。

企画:ポレポレ東中野